どうぞのいすってどんないす?
うさぎさんの作ったこのいすは、タテフダといっしょに丘の上に置かれています。
次々とやって来る森の動物たちは、このいすを見つけると、楽しさやおいしさと一緒に、思いやりの心を残していきます。
「どうぞ」と「あとのひとにお気のどく」という言葉がキーワードです。
柿本幸造さんの何とも言えない表情のある絵と、香山美子さんのこのやさしいお話は、ぴったりと息が合って、絵本の世界で30年以上もベストセラーを続けているのも当然と思えます。
吸収力のさかんな、やわらかい幼児の心にどんな種をまくことができるでしょうか。
テレビがいくら発達しても出来ないことがある。
人と人が向き合い、同じ空間と時間を感じながら語りかける。
生来わたしたちはそうやって生きることを学んで来ました。
これから10年経ってもそれは変わらないでしょう。生身のにんげんから伝わるエネルギーに思わず反応してしまう、その反応にまた答える。
そんな相互関係が今回の「どうぞのいす」です。
はじめて舞台を観る小さなお子さんにぴったりです。